柚子(ゆず)の魅力をまるごと解説!香りと健康の果実

爽やかな香りとほんのり酸味のある風味が特徴の「柚子(ゆず)」。冬至のお風呂に浮かべたり、料理に香りづけとして使ったりと、日本人の暮らしに深く根付いた柑橘です。ですが、実はその魅力は“香り”だけではありません。柚子をもっと楽しむための情報をたっぷりお届けします。


※画像はすべてイメージです


柚子に含まれる主な栄養素

柚子は、香りを楽しむだけでなく、健康や美容にも嬉しい栄養が豊富です。

●ビタミンC:免疫力を高め、風邪予防や美肌効果が期待できます。

●クエン酸:疲労回復に効果があり、スポーツ後や体調不良時におすすめです。

● カリウム: 体内の塩分バランスを整え、高血圧予防に役立ちます。

●βカロテン:体内でビタミンAに変換され、目や粘膜を健康に保ちます。

●ヘスペリジン(ポリフェノールの一種):血管を丈夫にし、動脈硬化や冷えの改善に効果があるとされます。

●食物繊維:腸内環境を整え、便秘解消に効果があります。

柚子の旬はいつ?

柚子の旬は晩秋から冬にかけてです。11月中旬~12月下旬は、黄色く熟した「本柚子」が出回り、香りや果汁の豊かさもピークを迎えます。寒い季節の鍋やお吸い物、柚子茶にぴったりな時期です。

スーパーで安く買えるのはいつ?

11月〜12月が価格もお手頃になる狙い目の時期です。特に冬至(12月22日頃)の直前には需要が高まり、店頭に多く並びます。その直前を狙うと、特売になるケースもあります。



日本国内で生産量の多い地域


➀高知県:全国の生産量の約50%を占める一大産地。山間部の寒暖差が香りの強い柚子を育てます。

➁徳島県:傾斜地を活かした栽培が盛んで、手摘みの丁寧な収穫方法が特徴です。

➂愛媛県: 温暖な気候を活かし、香酸柑橘類の一種として加工品の生産も多く行われています。
(農林水産省2021年データより)


世界で柚子の生産が多い国は?


➀日本:世界全体の生産のほとんどを占めています。日本独自の果実文化として国内消費が中心です。

➁韓国:主に済州島などで栽培され、伝統茶「柚子茶」などに活用されています。

➂中国:規模は小さいですが、一部の地域で薬膳などに使用されています。
※柚子は主にアジアで生産され、欧米ではほとんど見られません。
(FAO2021年統計データより)


新鮮な柚子を選ぶコツ


◎ 色が鮮やかな黄色で、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。
◎ 手に持って重みがあり、皮が厚すぎないものが果汁豊富です。
◎ ヘタの部分が黒ずんでおらず、緑色が残っているものは収穫直後の可能性が高いです。
◎ 香りがしっかり感じられるものは、熟度が進んでいて風味が濃厚です。
◎ 表面に大きな傷やしわがないものを選びましょう。




柚子の適切な保存方法


【常温保存】(短期)
 風通しの良い冷暗所で1週間程度。ヘタを下にすると傷みにくくなります。

【冷蔵保存】(中期)
 ポリ袋やラップに包み、野菜室で2〜3週間。乾燥を防ぐことがポイントです。

【冷凍保存】(長期)
 果汁・皮ともに冷凍可能。果汁は製氷皿に入れて凍らせておくと便利です。

家庭菜園での育てやすさとコツ

初心者向けの品種としては、早く実がなる「一才柚子(いっさいゆず)」がおすすめです。植え付けから2〜3年で実がつくため、家庭用として人気があります。

育てやすさレベル:★★☆☆☆(中級)
※接ぎ木苗の場合、4〜5年ほどで初収穫が可能です。樹勢が安定してくると、毎年しっかりと実をつけるようになります。

◆必要な条件:
・日当たりと水はけのよい場所が適しています。鉢植えでも可能ですが、地植えのほうが育てやすいです。寒さにはやや弱いため、霜除けが必要です。

◆水やりのコツ:
・乾燥しすぎないよう、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。鉢植えの場合は特に注意が必要です。

◆受粉:
・自家受粉が可能なため、1本でも実がつきます。ただし、人工授粉を行うと実付きがよくなります。

3月〜4月に植えるのがベスト。暖かくなり始めた時期が根付きやすく、春〜夏にしっかりと成長します。

人気の柚子の品種(代表例)


●本柚子(ホンユズ):一般的な柚子で、香りが強く、果皮も果汁も料理に使いやすい万能品種。

●花柚子(ハナユ):観賞用に近く、香りはあるが果汁が少ない。鉢植えや庭木に人気。

●多田錦(タダニシキ):皮が薄く、果汁が多い新品種。家庭用として育てやすく、近年注目されています。

●一才柚子(イッサイユズ): 苗木から2〜3年で実がなる早生タイプ。初心者向きで人気。

●紅あずま:昔ながらのホクホク系。天ぷらや煮物に向いています。

● 獅子柚子(シシユズ):別名「鬼柚子」。非常に大きな実が特徴。加工用やインテリア用途にも使われます。

簡単&おいしい!柚子を使ったレシピ

柚子はちみつドリンク

【材料】
・柚子果汁:大さじ1
・はちみつ:大さじ1
・お湯または炭酸水:200ml
【作り方】
カップに柚子果汁とはちみつを入れて混ぜ、好みでお湯や炭酸水を注ぎます。風邪予防やリラックスタイムにぴったりです。

柚子大根(浅漬け)

【材料】
・大根:300g
・塩:小さじ1
・柚子の皮(千切り):1/2個分
・柚子果汁:大さじ1
・砂糖:小さじ2
【作り方】
① 大根を薄いいちょう切りにして塩を振り、10分置いて水気を切る。
② 柚子の皮・果汁・砂糖を加えてよく和え、冷蔵庫で1時間ほど置いて完成。

柚子味噌

【材料】
・白味噌:100g
・砂糖:大さじ3
・みりん:大さじ2
・柚子の皮(すりおろし):1/2個分
・柚子果汁:大さじ1
【作り方】
すべての材料を鍋に入れて弱火で練り、なめらかになるまで加熱します。ふろふき大根や田楽にぴったりです。


おわりに

柚子はその香りや味わいだけでなく、健康効果や保存のしやすさ、育てる楽しさまで詰まった優秀な果実です。料理にも、美容にも、家庭菜園にも使える万能な柑橘「柚子」を、ぜひ暮らしに取り入れてみてください。

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